29. 水原秋桜子(豊)の句碑と墓

1.水原秋桜子の句碑(東京大学医学部句碑)

東京大学本郷キャンパスのベルツ・スクリバの胸像の横(左手)に(水原)秋桜子の句碑が建っています。

胸像をぬらす日本の花の雨

水原秋桜子の句碑
画面右手の木の足元にあるのが句碑、その後ろにベルツ・スクリバの胸像が写っている

(平成29年8月11日 記す)

★★★

♪今日、時間があったので、図書館でベルツに関する単行本の文献を少し調べていました。『現代に生きるベルツ』(石橋長英著 日本新薬株式会社 1978)のなかに水原秋桜子のベルツに関する句の記載がありましたので、その一部を紹介しておきます。

君によりて日本医学の花ひらく

胸像はとわに日本の秋日和

秋空にかがやく歴史六百年

菊匂う国に大医の名をとどむ

生誕の夜の寒星を仰ぐべし

百年前君が仰ぎし夏の富士

♪東京大学本郷構内にあるベルツ・スクリバの胸像の横にある秋桜子の句碑がいつ建てられたのか、句碑の裏に年月日などが刻まれてないか、調べたかったのですが、句碑の周辺には木々の葉が生い茂っていて確かめることができませんでした。

(平成14年6月22日 記)

★★★

♪ベルツ・スクリバの胸像の傍にある水原秋櫻子の句碑について、その建立年月日、建立主唱者など、建立の経緯について詳しく記載されている文献をみつけました。石橋ひかる氏による『定本秋桜子句碑めぐり』(東京美術、1981)のなかにありました。(「東京大学医学部句碑」pp.354-361.)

建立年月日:昭和56年4月9日

建立主唱者:石橋長英

建立の趣旨:「わが国近代医学の基礎を築き、その発展と国際交流に大きく寄与したエルウィン・フォン・ベルツ先生の巧蓄を記念するため」

(平成29年8月19日 追記)

 

2.水原秋桜子(豊)の墓

場所:東京都立染井霊園(1種イ3号1側)

交通:JR駒込駅あるいはJR巣鴨駅から徒歩。

 

東京都立染井霊園医家墓所案内(堀江幸司作成

桜の染井霊園

 

雪の染井霊園
水原秋桜子の墓

♪染井霊園の場所は、東京都公園協会発行の「霊園案内図」によるとJR山手線巣鴨駅より徒歩10分とあります。巣鴨は「お婆ちゃんの原宿」として有名ですが、この巣鴨地蔵通りは旧中山道で、それと平行して走る国道17号(中山道)沿いにある「東京都中央卸売市場・豊島市場」の裏が、染井霊園になります。染井霊園の正面入口は、駒込駅前の六義園を起点とする染井通りにありますが、巣鴨方面からくると、染井霊園の裏口から入ることになります。

染井霊園入口(染井通りの突き当たり)
染井霊園の白山通り側の入口

♪このように染井霊園は、ちょっとわかりずらい所にあるのですが、この辺りは、染井吉野桜の発祥地として有名です。春になると霊園内に残る古木が淡いピンクの花をつけ、散った花びらは、花のじゅうたんをつくります。訪れる人もそれほど多くはなく、本来のお花見ができる数少ない場所の一つとなっています。

♪染井霊園には、著名人の墓も多くあります。岡倉天心、小河一敏、高田早苗、高村光太郎・智恵子、二葉亭四迷、宮武外骨、水原秋桜子などがあります。

高村光太郎・智恵子の墓

♪水原秋桜子は、俳誌「ホトトギス」で活躍した俳人 で、「馬酔木」を主宰したことで有名ですが、本名を水原豊といい昭和医学専門学校教授(産婦人科学)でもありました。

♪墓は霊園の正面入口から真直ぐ続く墓道の左手(1種イ3号1側)にあります。

(平成14年5月21日 記)(平成29年8月11日 追記)